私とカードの間の世界

福岡の占い師Suiの探求

2.女教皇 -THE HIGH PRIESTESS-

 

「男らしさ」や「女らしさ」というような性差を強調するような言葉を使うには現代はデリケートな部分がありますが、実際に男と女って違います。

体の作りが違うのだから違って当たり前だ、と以前は思っていましたが、ゲイの方などで本当に女性性を感じさせられるような人と出会ったりすると、本当に私たちの中にある性というのはどこからやってくるものなのかと不思議に思います。

男も女もあって人間です。性を見つめずに人間を語るのは無理なことです。

これからそんなカードが続きます。

 

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教皇は女性的な知性を表します。

彼女はとても真面目で、もともと直感力も洞察力もあり賢い上にたくさんの本を読み勉強して、悩める人々に教えを説く立場につきました。

絵を見ると巻物=本を持っています。

トップの座に居てもなお学ぼうとするという謙虚さを表しています。

 

年齢的にはまだ若いであろう彼女がこのような立場を維持していくのは並大抵ではありません。

それでも彼女は落ち着き払い、どんな人が訪れても静かに対応します。

そして自分の学びのスタンスを、彼女のところにやってくる人々に対しても求めているようにも見えます。

「傲慢さを捨て謙虚に学びを求めてこそ本当の知恵を得ることが出来る。」

がめついクレクレ君のような人が来ても彼女は自分の知恵を与えることはないでしょう。

 

彼女が聖職者のトップでありながら謙虚な姿勢で学ぼうとし続けるのは、何か理由がある感じがします。

本から学べるものは全て学びました。

しかしどこかで、自分の中になにか足りないものがある、何か知らない世界があると感じてるように見えます。

世界の全てを知っているはずなのに。

 

彼女は処女です。

もちろん聖職者として、清らかな精神と身体でいることが必要だったから、そうあることを選択したはずです。

自分が真理にたどり着くためには必須条件だったのです。

性はけがれです。本にもそう書いてありました。

 

後ろの垂れ幕は、女性器の象徴であるザクロの絵が描いてあり、まさに処女膜を表しています。

そしてその向こう側には海が広がっているようです。

彼女がもし性を超えたら、その先はどんな世界が広がっているのか。

もしこの禁断だとしていた幕が取り払われ、見たことのない広い海へと足を踏み入れた時、それでも彼女は持ち前の知性と冷静さを持って対処していくのでしょう。

それについてはこの物語では描かれていません。

 

今はまだ、彼女はただ静かにそこに座り続けています。